合唱曲「未知という名の船に乗り(阿久悠作詞・小林亜星作曲)」について
前回に引き続き、合唱曲をとりあげる。
わたしが小学校時代に音楽の授業でよく歌ったのは、前回紹介した「気球にのってどこまでも」と、もうひとつ「未知という名の船に乗り」という曲だ。「気球」の次は「船」である。
「未知という名の船に乗り」は、1981年度NHK全国音楽コンクール小学校の部の課題曲で、作詞:阿久悠、作曲:小林亜星、編曲:若松正司によるもの。
合唱曲「未知という名の船に乗り」の概要
詞
コピーライターだった阿久悠先生による詞らしく、「未知という名の船に乗り」・「勇気という名の帆を張って」など歌詞に出てくる言葉のひとつひとつがキャッチーな感じである。
「未知」・「冒険者」・「希望」・「夢」など、未来を担うこどもたちに向けたメッセージソングである。
この曲を聴いていると、阿久悠先生が子どもたちに向けて言葉を厳選してこの曲を作ったことが伝わってくる。
この曲の終盤に「シャバダバダバダ~」と歌う箇所がある。その点が「気球に乗ってどこまでも」の「ランラララララ~」に似ている。
「気球に乗ってどこまでも」のほうが先に世に出ているので、この曲「未知という名の船に乗り」を作るにあたり、阿久悠先生は「気球に乗ってどこまでも」を意識していたと思う。
曲/アレンジ
曲は小林亜星が作っただけあって、ズンチャカズンチャカという伴奏が印象的なポップス調の曲調で、ノリが良い。
「気球に乗ってどこまでも」と比べると「未知という名の船に乗り」はポップス感がより強い。
伴奏の最後「チャラチャ チャラ チャラ チャラ チャラ チャラララ チャン」が可愛らしくて、今でも印象に残っている。
極私的感想
「未知という名の船に乗り」は詞・曲・アレンジのどれも好きだ。
詞も曲もアレンジもすべて良い曲だと思う。
諸先生方が力を入れてこの曲を作ったことが伝わってくる。
わたしが音楽の授業で「未知という名の船に乗り」を唄ったのは小学校高学年の頃だった。
「未知という名の船に乗り」は、わたしが小学校高学年だった1981年度NHK全国音楽コンクール小学校の部の課題曲だから、当時わたしが通っていた小学校の音楽の先生はこの曲が世に出てからすぐにこの曲を授業に取り入れていたのだとわかる。
音楽の先生、なかなかやるなあ。
小学生の頃この曲を歌っていたときは、この曲「未知という名の船に乗り」が、ポップスの大物作詞・作曲家である阿久悠・小林亜星コンビによるものだとは気づかなかった。
クラスメートはみんなこの曲が好きで、音楽の授業でもノリノリで歌っていた。
今でもこの曲「未知という名の船に乗り」は小学校でこどもたちに歌われているのだろうか。
コロナ禍の影響により、園や小学校で歌う回数が減ってしまった。
小さい頃に「声を合わせて歌うこと」を少しでも多くこどもたちに経験してほしいものだ。