園庭のない保育園、そして公立幼稚園の廃園

こどもの数は減っているのに、「園庭のない保育園」が今も存在する(園庭がない保育園)。

都内には数多くの「園庭のない保育園」があるのだ。

 

園庭のない保育園は、2020年頃まで「待機児童」を緩和することを目的に増え続けた。

待機児童を解消するため、実際には園庭がなくても「近隣の公園」があれば園庭代わりとして認められて認可保育所が作られ続けたのだ。

昼間外を歩くと、今も「近隣の公園」まで運動遊びをしにいく子どもたちに遭遇する。

 

待機児童が解消しても、園庭がある保育園が増えるわけではない。

上の記事にも指摘されているが、一度劣化した環境を元に戻すのは難しいのだ。

 

園庭のない保育園とは対照的に、公立幼稚園は全国でどんどん数が減っている(公立幼稚園の廃園について思うこと【2024年】)。

公立幼稚園にはたいてい、自然にあふれた園庭と素晴らしい保育者が存在する。

自然から学べる豊かな環境が公立幼稚園にはある。

 

けれども、公立幼稚園は保育時間が短く、お弁当持参のところも多い。

共働き世帯が子どもを預けるには厳しい環境であるがゆえに、公立幼稚園はどんどん減っている。

公立幼稚園には素晴らしい環境があるのに、保育時間や給食の有無などの制度の違いがあるがゆえに園児数が減っていて、素晴らしい環境をこどもたちが享受できないのだ。

公立幼稚園をこども園化すれば、園庭がある環境で豊かな学びを受けられる子どもが増えるのに、と、いつも残念に思っている。

 

少子化で私立の幼稚園や保育園にも空きが出始めていて、私学も園児集めに苦労している。

私学の定員割れで、公立幼稚園をこども園化するのは私学にとって民業圧迫だ、という声も聞かれるようになった。

それでも、公立幼稚園をこども園として残すことで、公立小学校との連携を円滑に図れるというメリットがある。

 

今一度、こどもたちの教育環境の大切さについて考えてほしい。