スティーヴィー・ワンダー『キー・オブ・ライフ』の「Summer soft」

スティーヴィー・ワンダーが1976年に発表したアルバム『キー・オブ・ライフ』(Songs in the Key of Life)に収録されている「Summer soft」という曲がある。

 

『キー・オブ・ライフ』は知る人ぞ知るアルバムで(70年代生まれとスティーヴィー・ワンダー)、「可愛いアイシャ」・「愛するデューク」・「アナザー・スター」などの数々の有名曲も収められている。

そんな誰もが一度は聞いたことがある有名曲の中に埋もれるかのように「Summer soft」はひっそりと収録されている(ように感じる)。

 

個人的には『キー・オブ・ライフ』のなかでこの「Summer soft」がいちばん好きだ。

『キー・オブ・ライフ』の収録曲は皆、独立しているというか、個性が強くて、それぞれが独自の地位を確立しているように感じる。

その中でも「Summer soft」は何というか…典型的なロックでもポップスでもRBでもない。

ジャズっぽくもあり、ボサノバっぽい雰囲気もある(実際、ジャズやボサノバのミュージシャンがこの曲をカバーしている)。
)。

「Summer soft」は何とも表現しがたい不思議な空気感を醸し出している。

「Summer soft」は、最初は穏やかに鳥の鳴き声とアコースティックピアノ主体で始まるが、曲が進むにつれてパーカッション・アコースティックギター・エレピ・ベース…と徐々に演奏楽器が増えていき、サビは転調を繰り返し最後はオルガン(エレピ)が流ちょうに唄う…という不思議な曲である。

 

先日たまたま、この「Summer soft」をジャズ・ピアニストのピーター・マーチン(Peter Martin)がカバーしているのを発見した。

演奏は二重録音で、1台がふつうのピアノ、もう1台がローズピアノで演奏されている。

とても心地よいので、このところ、この曲をよく聴いている。

 

原曲の魅力がしっかりと存在するからこそ、この素晴らしいカバー曲があるのだと改めて思う。