(読書感想)もっと言ってはいけない(著者:橘玲)(その2)東アジア人のIQと性格
もっと言ってはいけない
著者:橘玲
初版:2019年
新潮社
本書「もっと言ってはいけない」で著者は、ヒトのIQや性格について様々な側面から論じている。
前回は、本書で取り上げられている「男女のIQ差」について取り上げた((読書感想)もっと言ってはいけない(著者:橘玲)(その1)男女の知能差について)。
今回は、本書でもうひとつ印象に残った点、東アジア人のIQと性格について取り上げる。
東アジア人のIQ:白人・黒人よりも高い
本書によれば、中国・韓国・シンガポール・台湾・日本など東アジア人のIQの平均値は総じて、白人や黒人のそれよりも高いことが調査により判明している。
それを裏付けるかのように、たとえば、アメリカでは、ハーバード・ワシントン・コーネルなどの一流大学ではおしなべて東アジア系学生の割合が多い。
また、東アジア系人は専門職に就いている割合が高く、東アジア系人の平均年収も白人や黒人と比較して高いそうだ。
東アジア人のIQが高い理由のひとつとして、著者は中国の科挙制度を挙げている。言うまでもなく、科挙制度は貧しくても優秀であれば出世できる道を開いた。
科挙制度は、勤勉であれば出世のチャンスがある、というインセンティブを国民を与えたのは確かだろう。
東アジア人:内向型の割合が多い
東アジア人のもう一つの特徴として、東アジア人は白人に比べて内向型の人の割合が多いことが挙げられる。
パーティーやディスカッションが苦手で、華やかな場所では「壁の花」になるのは日本人に限らず、東アジア人に共通の傾向とのことだ。
いろいろな人と会話を楽しむよりも、ひとりでじっくりと考えるのが好きなのが内向型の人の特徴である。
わたし自身も典型的な東アジア人で、あちこち出かけて色々な人と話すより、ひとりでじっくり考えるのが好きな内向型人間である(INTJの女)。
外向型の人がもてはやされるアメリカでは内向型の人は肩身が狭いと、アメリカ人弁護士であるスーザン・ケインの著書に書いてあったことを思い出す。
本書「もっと言ってはいけない」にも、スーザン・ケインとその著書について触れられている。
(読書感想)静かな力 内向型の人が自分らしく生きるための本(著者:スーザン・ケイン)
まとめ
学習指導要領が改訂されて、公立の小中学校の授業でディスカッションやプレゼンテーションを行う機会が増えたと聞く。
東アジア人の強みは、内向型人間が多いゆえ、ひとりでじっくりと深い思考ができることにあるとわたしは思う。
それなのに、ディスカッションやプレゼンテーションなどで、わざわざ外向的人間になる必要はないだろう、と思ってしまう。
内向型人間であっても、ほかの人に本当に伝えたいことがあれば、特に練習しなくても熱のこもったプレゼンができる。プレゼンでなくても文章などほかの手段で自分の思いを表現すればよいだけだ。
そして、深い思考のためにはむしろ、ディスカッションではなく、ひとりで落ち着いて考える時間が必要だ。
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