「生涯学習」より「鉄は熱いうちに打ってほしい」
これからの時代は「学びたい」という自発的な意思に基づく「自立学習」や「リカレント教育(生涯学習)」が大事だといわれている。
上の本によれば「学びたいと思ったときに学べる環境を整えておくことが大事」と元・文科省のお役人さん方はおっしゃる。
でも、「学びたい」と思っても仕事をやるだけで精一杯で「学ぶだけの余裕がない人」が過半数だと思う。
学びたいときに学ぶためには、時間的余裕・金銭的余裕が必要だもの。
こども本人が学びたくても、病気等で親が働けず、金銭的な余裕がなくて進学を断念せざるを得ない場合だって往々にしてある。
親が年をとればとるほど、病気になる可能性が高くなる。
こどもに手と目をかけられるのは、親が元気で働けるうちだけだ。
特に、我々夫婦のように高齢親の場合は特に切実な問題である。
だからこそ、親がまだ元気である、こどもが小さいうちに学習習慣を身に着けたほうがいいと思う。
鉄は熱いうちに打ったほうがいい
「鉄は熱いうちに打て」という諺があるように、こどもが小さいうちに学ぶ姿勢を身に着けるほうがリスクが少ない。
大人になって「学びたい」と思っても、生活を守るために働くことが最優先になるのは当たり前で、勉強するための時間もお金もないことだって、往々にしてある。
今の学習指導要領の内容を見ていると、小学校から英語教育を導入したり、従前のカリキュラムに加えて体験学習を追加したりと、学力下位層を切り捨てているとしか思えない。
リカレント教育というのは、義務教育がきちんと機能していなかった「言い訳」だと感じる。
「学びたい」ときに学べることは大切だけれども、だからといって、学力が下半分のこどもたちを切り捨てる義務教育がいいとは思えない。
それに、リカレント教育の普及といっても、学生のためではなく、そこで働く人を雇用を守るためにリカレント教育をやっているんじゃないか、という気がするのよね。
少子化による子供の数の減少を補うためにリカレント教育を推進したいんだろう。
「発表学習」はそれ自体面白いと思うけれども、みんながみんな、研究者になるわけじゃないし、みんながみんな、そのテーマに強い関心があるわけじゃない。
義務教育が終わるまでに、基本的な読み書き計算能力を身に着けることのほうが、こどもにとって大切だと思う。学力が下半分のこどもたちにとっては特にそうだ。
将来生きていくうえでも、基本的な読み書き計算能力は必要だから。
狡猾な経営者によって奴隷として扱われて搾取されないためにも、ね。