(読書感想)ママがいい!母子分離に拍車をかける保育政策のゆくえ(著者:松居和)
読書感想「ママがいい!母子分離に拍車をかける保育政策のゆくえ」
著者:松居和
出版年:2022年
出版社:グットブックス
「ママがいい!」は作家・音楽家の松居和氏による著書である。
著者の松居和氏はブログ「シャクティ日記」で保育の現状について長年、発信を続けている。
これだけ保育園が変容しているのにも関わらず、それを取り上げる媒体は少ないのが本当に残念だとわたしは思う。
この本「ママがいい!」には、ここ20年間の保育政策の変容ぶり、今の保育園の現状などが克明に書かれている。
「ママがいい!」で、今の保育政策は母親から子どもを引きはがして、母親を労働力として働かせることを主眼にしたものだと著者は述べる。
今は安心して預けられる保育園ばかりではないのが現状だ。
わたしも実際、安心して預けられる保育園を選べなかったこそ、幼稚園に子どもを通わせている。
若い人にも高齢者にも読んでほしい本
「ママがいい!」を若い人にも高齢者にも読んでほしい。
ちょっと前まで園児だった高校生や大学生が「ママがいい!」を読んだならば、
今の保育園についてどう思うだろうか。
若い人がこの本を読んだならば、果たして、パワハラが横行するような保育園にこどもを預けて働きたいと思うだろうか。
また、孫世代・ひ孫世代のこどもたちが、昔と比べると格段に質が落ちた保育園に預けられていることすら知らない高齢者は多いだろう。
高齢者の世代では3歳まで手元で育てる家庭が大半だった。
劣悪な環境の保育園にこどもを預けて母親が働かざるを得ない現状を高齢者の世代の方々はどう思うのだろう。