少年野球とお茶当番

我が家の次男はキャッチボールが大好きだ。

次男は毎日毎日、家で飽きもせずキャッチボールをやりたがる。

 

次男はどうやら野球が大好きらしい。

次男、この夏は高校野球のテレビ中継を熱心に見ていた。

でも次男はまだ少年野球に入る年齢ではない。

 

次男がもう少し大きくなって少年野球をやりたいと言い出したらどうしようかと思っている。

なぜかというと、少年野球にはお茶当番がつきものだから。

 

私はお茶当番をやりたくない。

なにより私は子どもの集団活動に親が介入するのはあまり好きではないのだ。

 

幼稚園児の集団に親が介入するのは分かる。

けれども小学生や中学生になってまで子どもの集団活動に介入したくない。

 

私が子どもの頃はお茶当番なんてなかったのに、いつから少年野球でお茶当番が当たり前になったのだろう。

手伝って頂く指導者へのお礼というのも分かる。

少年野球では保護者が無償でコーチをすることが多いから。

 

タダより高いものはない。

謝礼としてそれなりのお金を支払う代わりにお茶当番を免除したっていい。

 

お茶当番を廃止したチームも最近は増えていると聞く。

もし次男が少年野球をやりたいと言い出したら、お茶当番がないチームを懸命に探さなければならない。

本当は、お茶当番のことなど考えることなく、もっと気軽な気持ちで野球が始められるといいのにと思う。

 

筒香選手の会見とお茶当番

今年の初め、横浜DeNAの筒香選手が、日本外国人特派員協会にて少年野球について意見を述べて大きな話題になった。

筒香嘉智が語った、少年野球における「母親の問題」と「お茶当番」――2019上半期BEST5

筒香選手がわざわざ日本外国人特派員協会で話をしたということそれ自体、少年野球について一言モノ申すことが、日本のマスコミを通じて報道しにくい話題であること、つまり、日本のマスコミでは少年野球について意見を述べることがタブーであることを物語っている。

この会見の中で筒香選手は母親のお茶当番について言及している

母親のお茶当番(子どもたちや指導者にお茶を配るために野球の練習に付き添うこと)が、野球離れの一因になっているという話が出た。

 

本当にその通りだと思う。

なぜなら私自身、お茶当番のせいで子どもに少年野球をさせたくないと感じているから。

筒香選手のような日本トップクラスの選手がこの話題に触れてくれて有難い。

 

少年野球-ついていけないかも

私のように少年野球に関わっていない保護者から見ると、少年野球のお茶当番はちょっとついていけない世界に見える。

少年野球に関わっている人が身近にいるが、親戚の集まり・法事などを差し置いて生活すべてが少年野球優先になっている。

 

長男が通う小学校の子どもたちが多く通う少年野球チームでは、保護者間でいじめがあったり、子どもたちの間でもいじめがあったという話を聞く。

さらに深刻なことに、保護者間のトラブルが原因で保護者がうつ病になったという話も聞いた。

我が家では、せめて小学校時代は少年スポーツよりも家族旅行や家族での団欒を大切にしたいのだ。

 

お茶当番を廃止するのが難しい理由

お茶当番の廃止=生きがいの剥奪

実際、少年野球でお茶当番を廃止するのは相当に難しいと私は思う。

なぜなら、少年野球に熱心な保護者を見ていると、少年野球に携わること(お茶当番を含めて)=生きがいの域に達しているからだ。

 

お茶当番を廃止することは彼女らの生きがいを奪うことになってしまう。

だから、お茶当番を廃止することは相当ハードルが高いと思う。

 

日本外国人特派員協会での筒香選手の会見で、少年野球のお茶当番では、子どもたちと指導者のために100人分の昼食を作ったりすると女性記者が話していた。

 

私の知っている保護者とまさに同じである。

少年野球のお茶当番で100人分のおにぎりを作ることを嬉々として話してくれた。

一部の保護者にとって、少年野球のお手伝いはまさに生きがいなのだ。

それに、少年野球だけでなくシニアリーグや高校野球までずっと、保護者のお手伝いを前提として成り立っている。

そう考えると、お茶当番を廃止するのはかなり難しいだろう。

 

少年野球に熱心な保護者の特徴

熱心な保護者が多いのは少年野球に限らず他の少年スポーツでも同じではある。

ただ、少年野球は保護者の熱心度がほかのスポーツよりもずば抜けて高い。

 

今まで見ていると、少年野球に熱心な保護者は真面目で世話好き(困っている人をほおっておけないタイプ)で誠実な人が多い。

どちらかというと「学校大好き」「集団行動大好き」なタイプが多い。

 

なぜだか分からないが、少年野球にハマる保護者は同じような行動をとる(たとえば以下の通り)。

・毎年毎年、野球のユニフォーム姿の子どもの写真が載った年賀状を送ってくる
毎年年賀状をもらうなかで、他のスポーツをやっている子どもについては、毎年毎年ユニフォーム姿の子どもの写真を送ってくることはほとんどない。

なぜか、こどもが野球をやっている家庭だけは、年賀状にユニフォーム姿の子供の写真を載せてくる。

それだけ野球への思い入れが強いのだろう。

・生活のすべてを少年野球優先にする(PTA活動すら、野球の都合に合わせてほしいといわれたことがある)

・子どもが少年野球を始めた当初から「野球ほど素晴らしいスポーツはない」と野球を絶賛する。

・子どもが少年野球を始めてからしばらくの間は「サッカーのせいで良い選手が野球に回ってこない」とサッカーをdisる発言をする(そのうち諦めるのか、そのうち言わなくなる)

 

野球人口の減少を本気で食い止めたいならば

野球界が野球人口の減少を本気で食い止めたいならば、

・トップダウンでお茶当番の廃止を少年野球に通告する

・お茶当番がない少年野球チームからトップクラスの選手を輩出するという実績を積み上げていく

のどちらかしかないのではないか。

後者のほうが実現性が高いかもしれない。

 

お茶当番がない少年野球教室

実際、西武ライオンズは、お茶当番がない少年野球教室を開いている

ライオンズベースボールスクール

この野球教室は基本週1回(週末を家族との時間に使える)保護者のお手伝いなし根性主義の排除などを謳っており、まさに筒香選手が指摘した内容を踏襲している。

このスクールではお手伝いがない分、多少費用はかかる。

けれども、お手伝いが原因で保護者間の人間関係がこじれたりしないのは気が楽だ。

次男が野球をやりたいと言いだしたら、ライオンズベースボールスクールに通わせてみようかと思っている。

 

現時点で東京にスクールがないのがとても残念だ。

ライオンズが東京にスクールを造ることは在京チームが良い顔をしないのだろうか。

次男が野球をやりたいと言い出す頃までこういうスクールが近所にどんどん増えてほしい。

 

最近は共働き世帯が増えていて、週末くらいは家族で過ごしたいと考えている家庭も多いだろう。

ましてや、子どもたちは幼少時から保育園育ちが多いので、週末を家族とすごすことを楽しみにしている子どもも多い。

 

変わるきっかけに

長年、少年野球の根性主義・お手伝いの弊害が叫ばれてきたのに、なかなか変わらなかった。

それが、野球人口の減少が原因で野球界は危機感を持ち始めたようである。

今後、野球界はいろいろなことを本気で改革する方向に進んでほしい。

 

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