少年野球と東大
東大野球部の監督に、東大野球部OBで元プロ野球選手の井出峻氏が就任したそうだ。
井出氏は元中日のプロ野球選手で、中日の球団代表も務めていたこともある。
井出氏は数少ない東京大学出身の元プロ野球選手だ。
都立新宿高校→東大農学部の出身である。
東大は今後、勉強が得意でしかも野球が上手な選手のスカウトに力を入れる予定なのだろうか。
スカウトといっても、東大は私大のようにスポーツ推薦があるわけではない。
だから現状は、六大学で野球をしたい学業優秀な選手に東大を受験するよう勧める程度の活動に留まざるを得ないだろう。
都立高校でも最近は、都立小山台高校や都立新宿高校などの進学校が野球に力を入れている。
都立進学校の野球部の選手から東大に合格する選手を輩出することで、野球が強い選手を東大野球部に入部してもらう、ということだろうか。
少年野球の忙しさ
少年野球に携わっている人が身近にいる。
長年かなり熱く少年野球に携わっている。
見ていると、少年野球(小・中・高)の目の回るほどの忙しさに唖然とする。
天気が良い土日はたいてい親子で朝早く試合で遠くの球場に出かけていき、自宅に戻るのは夕方だ。
そのような少年野球生活が長く続くと、子どもたちは本を読んだり、物思いにふけったり、文章・絵・音楽を創作したりという時間が休日はあんまり取れないように見える。
野球少年にも本好き・音楽好きの子どもはいるだろう。
そういう野球少年はふだん、どのように過ごしているのだろうか。
往年の名選手の中にも、学業優秀だったといわれている元プロ野球選手はたくさんいる。
また、現在50代60代の作家の中にも、少年時代は野球少年だったという人がたくさんいる。
その頃の状況と今とでは少年野球を取り巻く環境がまったく違うようにみえる。
今の野球少年(特に本格的に野球をやっている子どもたち)は本当に休む間もないほど忙しい。
ある程度本格的に野球をやっている子どもたちは例外なく忙しい。
野球少年の中にも、文章を書いたり読んだりする素質がある子どもはたくさんいるだろう。
けれども、休日はいつも試合という生活が長く続けば、集団の中での協調性や体力・集中力は大いにつく反面、物思いにふけったり、時間をかけて文章を書いたりする時間がない。
そうなると、東大に合格するのに必要な思考力を養うのはなかなか難しいように思えるのだが、実際どうなのだろうか。