コロナ禍が乳幼児の発達に与えた影響に関する論文
コロナ禍が、小学校入学前のこどもたちの発達にどのような影響があったのかを調べた研究結果が報告されている。
コロナ禍で5歳児に約4か月の発達の遅れ―3歳、5歳ともに発達の個人差拡大―
この研究結果を簡単にまとめてみた。
コロナ禍は3歳時点の発達の遅れをもたらさなかった
研究結果によれば、コロナ禍は3歳時点の発達の遅れをもたらさなかった。
コロナ禍では在宅勤務になった保護者も多い。
その反面、コロナ禍では保護者がこどもと過ごす時間が増えた。
3歳未満児の発達にとっては、特定の大人との1対1のコミュニケーションが重要だといわれている。
保護者が在宅勤務で自宅におり、こどもと過ごす時間が増えたことが、3歳未満時の発達にプラスの影響を与えたと研究者は推察する。
「コロナ禍で在宅勤務で働きながらこどもの相手をするのがうんざりするほど大変だった」という保護者はたくさんいる。
私もそのひとりだ。
保護者にとってはつらかったコロナ禍生活だが、コロナ禍で親子がともに過ごしたことがこどもの発達を促したようだ。
コロナ禍は5歳児の発達にマイナスの影響をあたえた
研究結果によれば、コロナ禍によって5歳児の発達に遅れが生じた可能性があるとのこと。
5歳時点で最大4.39か月の遅れが確認された。
3歳以上の子どもは保育園・幼稚園で集団での活動がメインになっていく。
コロナ禍での休園が5歳児の発達にマイナスに働いた可能性がある。
コロナ禍により3歳・5歳ともに発達の個人差が拡大した
研究結果によれば、コロナ禍により3歳・5歳ともに発達の個人差が拡大したとのこと。
質の高い保育を提供する保育園に通っている子どもは3歳時点の発達が良い傾向がある、という結果である。
コロナ禍でなくても、こどもたちの発達の個人差が拡大しているといわれている。
「こどもたちは保育所で1日の大半を過ごしている」このことをもっと重要視してほしい。
今や3歳未満児の過半数が保育所育ちなのだ。
保育の質が、こどもたちの発達に大きな影響を与えていることを直視したほうがよいと改めて感じた。