平吉毅州「チューリップのラインダンス」と「気球に乗ってどこまでも」
3月。ピアノの発表会のシーズンである。
昨年のピアノ発表会で平吉毅州「チューリップのラインダンス」を弾いたお子さんがいた。
素敵な演奏だったので印象に残っている。
その発表会で「チューリップのラインダンス」を弾いたお子さんはブルグミュラーを修了してソナチネを練習中だった。
ソナチネレベルまでピアノが上達すれば「チューリップのラインダンス」を無理なく弾ける、ということらしい。
ピアノ演奏曲「チューリップのラインダンス」
「チューリップのラインダンス」はこどもの発表会の定番の曲である。
「チューリップのラインダンス」は「虹のリズム」という、こどものためのピアノ曲集に掲載されている。
「チューリップのラインダンス」はそれほど長い曲ではないのに、印象に残る曲だ。
懐かしいような、それでいてリズミカルでありジャズっぽい雰囲気がある、不思議な魅力がある。
だからこそピアノの発表会で多く演奏されているのだろう。
いままでブルグミュラーやギロックなど外国の作曲家の曲をわたしは弾いてきた。
けれども、平吉毅州だけでなく湯山昭もそうだが、彼らはこどものピアノ発表会の定番の曲を多く作曲している。
これからは日本人作曲家の曲も弾いてみようと思った。
平吉毅州(神戸高校)も湯山昭(湘南高校)も、公立高校から藝大作曲家に進んだ人である。
公立高校から藝大作曲家に進む人はわりと居るようで、そういえば坂本龍一(新宿高校)や深町純(大泉高校、藝大は中退)もそうである。
合唱曲「気球に乗ってどこまでも」
「チューリップのラインダンス」の作曲者の平吉 毅州は、合唱曲「気球に乗ってどこまでも」を作曲した人だと最近知った。
「気球にのってどこまでも」は平吉毅州の代表作といわれている児童向けの合唱曲(1974年度NHK全国学校音楽コンクール小学校の部の課題曲)だ。
こどもの頃に「気球に乗ってどこまでも」を唄ったことがある人は多いと思う。
この2つの曲は曲調がなんとなく似ていると思った。作曲者が同じだったのだ。
「チューリップのラインダンス」を発表会ではじめて聴いたときに「懐かしい」と思ったのは、わたしが「気球に乗ってどこまでも」を知っていたからだと思う。
わたしも小学生の頃「気球に乗ってどこまでも」をよく歌った。
懐かしい。
「気球に乗ってどこまでも」では、曲のサビの部分で「ランララララ~ラ」と歌いながら手拍子を打つところがポイントだ。
「気球に乗ってどこまでも」を聴くと「こどもたちの未来は果てしなく拡がっている・やりたいことにどんどん挑戦しけばいいんだよ」という前向きな気持ちになれる。
そういう前向きな歌詞はわたしの子ども時代(70年代・80年代)の世相を反映していたと思う。
今も「気球に乗ってどこまでも」は小学校でよく歌われているようだが、果たして今のこどもたちはこの曲を聴いてどう思うのだろうか。