(読書感想)PTA不要論 (補足)ハズレ町会
前回「PTA不要論」という本の読書感想でPTAと町会との癒着関係を取り上げた。
実際、わが家の長男を公立小学校に通わせてみて、町会と公立小学校が密接に関わっていることを知り、驚いた。
小学校の行事のたびに町会のエライ人がたくさん呼ばれるし、町会と一緒に行う行事もたくさんある。
町会側の論理からすれば、こんなに積極的に学校行事のお手伝いをしているのだから「町会のお手伝いをPTAから回せ」と町会側が要求するのも無理はない。
それゆえ学校側も町会に異様に気を遣っている。
たとえば、土日の夜に行われる地域の行事に学校管理職が顔を出すほどの気の遣いようだ。
わたしがこどもの頃は、町会と学校はここまで密接した関係ではなかった。
町会と学校がこんなに密接な関係になったのはいつ頃からだろう?
おそらくここ20年ほどの間に町会と地域の学校がより密接になったと思う。
ハズレ町会
ところで、以前、わが家の近所の空き地が売りに出されていた。
ある日、どこかの不動産屋が我が家を訪ねて来た。
その不動産屋はこう言った。
「すぐ近くの空き地の売買に関わる者ですが、このあたりの町会は厄介ですか?」
たとえここの町会が本当に厄介だとしても「ここの町会は厄介です」と答えるわけにはいかない。わたしが「厄介な町会だ」と言ったことが近所に広まったら困る。
こういうふうに、土地の購入予定者のために、ここら辺の町会の活動が面倒かどうかを事前に調べる不動産屋もいるのだ。
一戸建てやマンションを購入する際、地域の小中学校の状況(荒れているかどうか・学力がどうか)を確認する人は多い。
地域の小中学校の情報はネットから入手できることもある。
ところが町会に関してはアナログというか…情報が実に乏しい。
ゆえに、不動産業者は情報を収集するために「近所への聞き込み」というアナログな手を使わざるを得ない。
家を購入する際、「町会」は盲点だ。
同じ自治体で隣り合わせの町会であっても、一方は活動がそれほど熱心でない「当たり町会」、もう一方は子ども会や婦人会への加入を強要する「ハズレ町会」ということがよくある。
どこの市はどうだ、とか一般化できないのだ。
ハズレ町会?
町会というのは公立の小中学校以上に当たり外れが大きいと思う。
たまたま引っ越した場所が「ハズレ町会だった」という話も聞いた。
わたしの実家がある町会は、たまたま複数の小学校の学区域にまたがっている。
町会内に複数の小学校の学区域があったおかげで、実家にいたときは、PTAの人事に町会が口を出すようなことはなかった。
町会内に複数の小学校の学区域があると、町会は複数の小学校と関わらなければならないからだ。
こういう場合、町会が特定の小学校と密な関係になりにくい。
だからPTAと町会が癒着するなんて思いもよらなかった。
わたしの実家がある町会は「当たり町会」だったというわけだ。
町会内に小学校がたくさんある場合、全部の小学校の式に参列する訳にはいかないから、町会とPTAとの癒着は起こりにくい。
けれども、「PTA不要論」に書かれているように、地域の小中学校のPTA人事に町会関係者が口出しすることはよくあるらしい。
ひどい場合、PTA人事について町会長だけでなく、(前)町会長・(元)町会長の了解をとる必要があるらしい。
町会のお偉いさんの中にはとんでもなく高圧的な人がいる。
PTAがある限り、そういう高圧的な人物との交渉に疲弊させられる。
町会とPTAとの癒着は、戦前の五人組の復活・住民の秘密警察化を彷彿させる。
周りの住民に常に監視される生きずらい社会になっていくのだろうか。
PTAについて(まとめ)
役員決め
非加入問題
PTA活動あれこれ
【保護者会】グループ・ディスカッションはやめてくれ【PTA】
読書感想